ムダな作業・習慣がなくならない理由
誰も、やらなくて良いことを率先してやりません。厨房内のムダ作業はスタッフの何人かは気付いていることがあります。「これ、面倒くさいなー」「こうすれば良いのに」「これ必要かなぁ?」は、どの給食現場でも必ずあるでしょう。なぜ、そんな作業をやり続けるのでしょうか?
改善案が思いつかない
疑問を抱きつつも「どうすれば解決するのか」を、広い視点で考えることは、難しいものです。日々、目の前の作業のことだけを考えて1日を過ごすスタッフには、全体を見通して論理的に考える時間などない場合が多いのです。
また、長く一つの現場で習慣のようにやっていると、違った視点で物事を考えることが難しくなってきます。これは、スタッフの能力の問題でないことは、経営陣にも理解できると思います。
非難されたくない
これは人間関係の良し悪しには関係ありません。
・提案して、反発されるのがイヤ
・「あの人のせいで、うまくいかなかった」と言われるのがイヤ
・「エラそうに」と思われるのがイヤ
・「いじめ」の標的になるのがイヤ
現実に起こったかどうかは関係なく、他のスタッフからマイナスの感情を持たれることは、業務がどうこうよりも重要なことのようです。そして、多くの人は「誰かに言ってほしい」よりも、さらに自分にフォーカスして「自分は言いたくない」と思っています。これは決して悪いのではなく、組織に属する以上、仕方のない感情といえます。いわば自然現象なのですから、スタッフに対して「自主性がない」と非難しても無意味です。
つまり、「これ必要?」と言い出す人がいないから、ムダな作業が残り続けるのです。
ムダ作業の見分け方
なぜそれをやるのか?
多くの給食スタッフは、以下ような事を言っています。
その目的は何か?
単に作業スタッフであれば、これで十分です。
では、管理者や現場監督者はどうでしょう?
各業務・作業の目的を正しく説明できるでしょうか?
管理者が上記のようなこと言っている場合は、個人的な「こだわり」から、やらなくて良いことを続けている可能性があります。栄養士の場合、特定の食材や献立にこだわりを持っている場合があります。調理スタッフの場合、自分の好きな料理や得意料理にこだわりを持ったりします。
「仕事に対するプライド」と彼らは表現します。しかし「施設・利用者・患者にとって必要か否か」の視点が抜け落ちたプライドは、ただの「自己満足」にすぎません。プライドを捨てろ、ということではなく「この現場で発揮しなくてよい」ということです。
合理的な理由のない作業工程や習慣は、それだけで見直しの対象です。
図表に反映させる
Step1で作成した、作業工程表から、ムダなブロック(作業)を削除します。
すると・・・
赤で示したような「空白」が増えますね?
その空白に入りそうなブロックを別の行から持ってきて、
詰め込んでいきます。
やっていけば分かるのですが、
「この空白に、このBOXを入れたいが、幅が足りない」
ということが起きてきます。
「この時間にこの作業を行いたいが時間が足りない」という意味です。
入らないので、どうしましょう?
そうです、ブロックを小さくすれば良いのです。
これが次の、Step3「作業時間の適正化」です。