閲覧注意!?これから採用すべき人材
給食の現実を知る
理想にも限度が・・・(笑)
ある給食コンサルタントが書いた「高校生採用に力を入れるべき」という記事がありました。
要約すると、
”技術や業務の覚えも早く、若いので長く活躍してくれる。結果、人材不足が解消する。
そのために「給食とはカッコイイ職業」だと思ってもらえるようにする。”
という内容でした。
ちなみに「カッコイイ職業」であると、誰に、どのようにして思ってもらうのか?は語られていませんでした。
しかし、これは本当に可能でしょうか?
少し考えれば分かるのですが、自分が就活生の時、周りに「子どもの頃から給食調理員になりたかった」という人はいましたか?
そして、これまで面接に来た人の中にも、そんな人はいましたか?
少なくとも私は会ったことがありません。
「給食調理員」という職業は、多くの人にとって、望んで、憧れて就く仕事ではない、ということです。
馬鹿にしているのではなく、これは、ただただ現実です。
昭和・平成の時代に比べ、新たな職業が山ほどある中で、たまたま新卒者を採用できても、情報収集力の高い彼らが、長年活躍してくれる可能性が極めて低いことは容易に想像できます。
給料が安い、給食調理員
給食調理員の賃金が安い理由は以下の通りです。
- 専門知識・特殊技術・経験・資格、何も求められない
- 2~3年で必要なスキルは習得でき、それ以上のことは求められない
- 優秀な調理員が何人いても、売上げに無関係
- 調理師を育てても、公的補助や助成金とは無関係
全然昇給しない、というスタッフの声は聞こえると思いますが、致し方ないことです。「上げない」のではなく「上げる理由がない」が正解です。
冷たい気もしますが、これが資本主義の現実です。
好待遇の給食調理の募集、というは見渡す限りではほとんど見かけません。従って、近隣の募集内容と比較して特別に高い給料を設定する必要はないと言えます。もちろん、相対的に明らかに低い賃金なのは論外です。
採用すべきは
これまでの応募傾向はおそらく、未経験の40・50代の女性ではないでしょうか? その傾向は会社の努力で容易に変えられるものではありません。会社は会社だけの意思や努力で変えられる事に注力すべきです。
そして前述のように、給食スタッフの募集で集まる人材の多くは「ずっとこの仕事だから」「料理ならできそうだから」「通勤に便利だから」という理由で応募してきているはずです。もちろん給食業務の意義を理解し、真剣に取り組むスタッフもいます。しかし、少なくとも医師・薬剤師・看護師・療法士などに比べると、職務に対する向上心や探求心はずいぶん低めです。 年齢も考慮すると、時間をかけて特殊技術を習得させることは時間と人件費のムダと言えます。
これからの給食厨房では、人材に期待するのは最小限にし、未経験・スキルなしでも業務を遂行できる「仕組みづくり」に注力する方が、施設全体にとって有意義でしょう。