こんなにある!属人化のデメリット
属人化することにメリットがある場合があります。一流レストランの料理人や、特定の分野に専門特化した医師などです。 給食は「決められた量」を「決められた時間内」に「決められた衛生基準」で完了させる仕事です。「誰でもできる化」を最優先で進めていかなければ、人件費を垂れ流すことになります。思いつく限りでも、たくさんのデメリットがあることが分かります。
①ブラックボックス化
特定の人しか、業務プロセスが分からないのですから、当然のようにブラックボックス化します。プロセスが適切なのか、必要かどうかを評価することが出来ないばかりか、効率化したい、と声が上がっても、プロセスが分からないので、何をどう改善すればよいのか分かりません。
給食現場で起こるのはいわゆる「お局ブラックボックス」です。
悪質な場合が多く、人材が定着しない要因となります。
なぜか不思議なことに、ブラックボックス化している事実に、
本人たちが気付かないケースも多々見受けられます。
②ミスに気付くことができない
その人しか内容を把握していないので、ミスの隠蔽も簡単です。
また、誰もミスに気付くことができません。そのプロセスを見ても「今、どういう段階か」が誰にもチェックできないからです。
見えない部分があるのですから、当然に業務改善の大きな障壁となります。
③正当な評価ができない
業務を誰に教えるかは担当者の好き嫌いで決まります。
担当者の「あいつはまだまだ」という一言で教えてもらえない。逆に好きな人に対しては「あいつはやる気がある」などと言い出したりします。昭和の職人の世界ならこれでも良かったのですが・・・
繰り返しますが、給食厨房スタッフは職人ではありません。
④シフト作成が困難
各個人でこなせる業務が固定化してくるので、シフト作成が困難になります。そうすると、人が足りている日・不足している日の差が激しくなります。
不足している日は休日出勤や残業などで補うのですから、残業が常態化してしまいます。
施設内の給食厨房は比較的小さな組織ですでので「適材適所」という考え方は馴染みません。仕事のハードルを下げ、誰でもきるようにすることで
人員を効率的に配置することができるようになります。
⑤引継ぎができない
担当者が有給消化などをするとき、直前の引継ぎにムダな時間がかかってしまいます。技術が必要な場合は業務がストップしないまでも、品質を落としてしまうでしょう。給食厨房での属人化は品質維持にも悪影響を及ぼすのです。
⑥組織崩壊のリスク
業務の担当者が不機嫌になって「辞める」と言い出したらどうでしょう? そうした社員は仕事が出来る人である場合も多く、管理者は引き留めたいあまり、言いなりになります。繰り返す内に、やがて自分の要望が通らない度に「辞める」と言って脅してきます。
つまり、ヘンな社員を育ててしまうリスクがあるのです。
現実にその人が辞めた場合は、本当に特定の業務が分からなくなったりします。辞めなくともケガや事故で抜ける場合も同様です。
業務が属人的で「人に依存している」状態では組織として安定することはありません。