・コーチングとコンサルの違い

「どうすれば解決しますか?」を連発するコンサルが現実にいますので注意が必要です。
「それを聞きたいから依頼したのに!!」というクライアントの声はごもっともです。

コーチング・コンサルティング・カウンセリング・・・
どれも相手の行動変容を目的としますが、この3者はその役割も、必要とされる場面も異なります。

必要な場面

<コーチング>
相手が6~7の状態から少しアップしたい、と望んでいる状態です。目標も漠然としています。

<コンサルティング>
相手が6~7の状態から「8」へアップしたいが方法が分からない状態です。

ちなみに、相手がマイナスの状態から「0」にアップしたいときに行うのは「カウンセリング」ですね。

コーチング

相手が頭の中で考えていることを「質問」によってアウトプットさせ、「承認」「共感」することで気付きを与える。
これが「コーチング」です。結論も「では、どうしますか?」とい問いかけて、相手に発言させます。

相手にしてみれば、自分が発した意見なので納得感が大きく、受動感も少ないので、主体的な行動を促す効果があります。

コーチ自身は基本的に提案したり、意見を言ったりはしません。ですので、コーチに求められるものは解決策や思考力ではなく「話を聞くスキル」と「相手の話を要約するスキル」です。

このように「コーチング」とは組織内部の上司や監督者が学ぶべき重要なスキルですが、外部の人間に費用をかけてまで求めるようなものではありません。

また、職種によってはコーチングの効果がない相手も珍しくありません。
コーチングとは相手の考えを引き出して、整理する技術ですので、すでに相手が答えを持っていることが大前提です。
一定以上の経験や多面的な思考力、解決策を持っている相手に対して「気づき」と「思考のきっかけ」「行動の選択肢」を与えるのです。

つまり、アイデアやノウハウがない者、思考停止している者に対しては、ほとんど効果がありません。

コンサルティング

コンサルタント自身がもつ、専門知識や技術、ノウハウを用いて相手に課題の解決策を提案する。これが「コンサルティング」です。

ヒアリング内容に基づいて問題の原因を調査し、戦略・行動プランを考えた上で、提案、助言を行います。

ヒアリングを基礎として行動しますので、もちろんコンサルタントも「コーチング」を行います。が、その上で積極的に行動するのがコンサルタントの役目です。おかしいと思ったらすぐに確かめに行くような「行動力」「調査力」を必要とするため、現場の中からコンサルタントは生まれません。

コンサルティングで重要なのは、論理と事実です。感情や理想ではありません。
論理的でなければ相手は納得しませんし、事実に基づいていなければ信用されません。当然、現実主義でなければ実現可能な提案をすることはできません。

この記事を読んでいる経営者様が求めているのは、どちらでしょうか?